金華堂コラム

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小さなお葬式」の本当の意味 後悔しないお葬式スタイルの選び方

小さなお葬式とは「規模の問題」ではなく、「想いを込めた選択」のことです。

少人数や低価格がキーワードと思われがちですが、本質は“その人をどう見送るか”を家族で考える機会のことをいいます。

「小さなお葬式」という言葉が広まってきた背景

「小さなお葬式」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?

最近ではテレビCMやインターネット広告でもよく見かけるようになりましたが、はじめてその言葉を聞いた方の中には、「何が小さいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

  • 「故人様の体が小さいの?」
  • 「お葬式をする会場が小さいの?」
  • 「お坊さんのお経の声が小さいの?」

冗談のように思われるかもしれませんが、実際にそう思ってしまうくらい、「小さなお葬式」という言葉は受け取り手によって変わってきますし、ふわっとしていてわかりにくい言葉でもあります。

お葬式のカタチは、確実に変わってきている

私自身、葬儀の業界に勤めて20年以上になりますが、ここ最近、本当にお葬式のカタチが大きく変わってきているのを感じます。

中でも「小さなお葬式」や「家族葬」「直葬」といった言葉を耳にする機会は、以前と比べて格段に増えました。

小さなお葬式とは?実は「人によって違う」

「小さなお葬式」ですが、これは人によって異なってきます。

明確な定義はない 少人数・低価格が一般的なイメージ

では、「小さなお葬式」って一体なんなのか?

実は具体的な定義があるようで、実際には人によって捉え方が違うというのが現状です。

まずブランド(サービス)として「小さなお葬式」というものがあります。

CMなどでよく見かける「小さなお葬式さん」のプランを見ると、少人数でコンパクトに、そして費用も比較的安く抑えられたお葬式が中心になっているようです。

プロモーションの意図としては、「費用を抑えつつも、しっかりとお見送りできるお葬式を提供する」という部分にあるのではないかと思います。

「いおり」のプランと比較しても違いはわずか

実際、私たちが運営する式場「いおり」のプランと比較しても、大きく変わるところはありません。

>>金華堂の低価格家族葬プラン「いおり」

火葬式は9万円、一日葬は20万円、家族葬(二日葬)プランは30万円。金額的には弊社サービスの方が金額的な面からすると少し安いくらいかもしれません。

とはいえ、費用だけを見て「こっちが安いから良い」「高いからダメ」という話ではありません。やはり一番大切なのは、そのお葬式がご家族にとって「納得のいくお別れの場」であるかどうか、という点だと思うのです。

お葬式は“お経”のことだけではない

「お葬式=お経」が一般的なイメージかもしれませんが、実はそのようなことはありません。
火葬のみを行う「直葬」もお葬式ですし、200人を超える参列者が集まるような大規模な式もお葬式です。

つまり、「お葬式」という言葉は非常に幅広く、規模や形式によって定義されるものではありません。

「小さくても立派なお葬式」に共通するもの

私が普段、事前相談などでお客様とお話をしている中でも、

  • 「家族だけでこじんまりと」
  • 「あまりまわりに迷惑をかけたくない」
  • 「費用はできる限り抑えたい」

といったご希望をよくお聞きします。

そのどれもが、まぎれもなく“お葬式”です。

大勢で見送っても、家族だけで静かに見送っても、どちらも等しく尊いお別れです。

「小さなお葬式」は誰が決めるのか?

小さなお葬式とは、背景や想いで決まるものです。

人数や会場ではなく背景や想いで決まる

たとえば、親戚が100人、会社関係が200人いるような方が亡くなった場合、「家族だけで見送る小さなお葬式にしたい」と思っても、現実的にはなかなか難しいケースもあります。

会社の規定や親戚間のルールなどで、どうしても一定の人数が参列することになってしまうことでしょう。するとどんなに費用や規模を抑えたくても、“小さなお葬式”にはなりません。

つまり、「小さなお葬式かどうか」を決めるのは、プランの内容や会場の大きさではなくて、故人様やご遺族のご意向、そしてお付き合いの形や社会的な立場など、いろんな背景が関係してくるものだと思います。

私の考える「小さなお葬式」とは

私なりの言葉でいえば、「小さなお葬式」とは“家族葬のさらに一歩先”です。

もう少し踏み込むと、「家族の意志であえて制限をかけたお葬式」だと感じています。

費用だけで決める前に家族で話し合うことが大切

費用を安く(小さく)するのも小さなお葬式でしょう。

しかし費用だけで決める前に家族で話し合っておくことが大切だと思います。

「想いの確認」が後悔を減らす

お客様の中には

  • 「とにかく安く済ませたい」
  • 「こじんまりやりたい」

という思いを持たれる方は多くいらっしゃいます。

もちろんよいとは思いますが、中にはその思いだけが強すぎてしまい、故人様のご意向やお付き合いの内容をよく確認しないまま、お葬式の内容を決めてしまうケースがあるということです。結果、お葬式後に後悔をしてしまうケースも。

たしかに費用面はとても大事なことです。ただし同じように、もしくはそれ以上に大事なのは、「どう見送るかという想い」の部分であることもあるのです。

誰とどのように最後を迎えるか

  • 故人様がどんな人付き合いをされていたのか。
  • 誰に最後のお別れをしてもらいたかったのか。
  • 見送る側の私たちは、どんな気持ちでその日を迎えるのか。

こうしたことをきちんと話し合い、できれば生前のうちに共有しておくことで、「こんなはずじゃなかった」「やっぱりもっとしっかりやればよかった」といった後悔を防げるのではないかと思っています。

小ささよりも、“想いの大きさ”が大事

「小さい」というと、「コンパクト」、「効率が良い」というイメージを持たれるかもしれません。
しかしお葬式に関しては、想いの大きさに焦点を当ててもよいのではないでしょうか。

家族の選択を、悔いのないものにするために

お葬式をいろいろな意味(規模、参列者数、金額など)で小さくするか、大きくするか。これは、最終的にはご家族やご本人の選択となります。

ただしどんなカタチであっても、「想いだけは小さくしないでほしい」と、私は強く願っています。

  • 静かに見送るからこそ、できることもある。
  • 少人数だからこそ、深く向き合える時間もある。

たとえ短い時間でも、お葬式というのは「ありがとう」の気持ちや、「ごめんね」の言葉を届けられる、そんな場にしてほしいと思います。

「小さなお葬式」は、考えるきっかけになる

「小さなお葬式」とは、ブランド名やイメージ、プラン名ではなく、「その人をどう見送るかを家族でしっかり考えるきっかけ」だと思ってもらえたらうれしいです。

いま、お葬式のカタチは急速に変わっています。しかし変わってはいけないものもある。そう思いながら、今日も私はひとつひとつのご家族の“想い”に寄り添い続けています。

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