子どもの喪服の選び方 お葬式に適した子どもの服装
人生には避けて通れないお別れの場面があります。
そしてそれは突然来るものです。
そのようなとき「子どもの服、どうしよう・・・!?」とドキッとする保護者の方は意外と多いです。
私が現場にいたときには、葬儀の際のお子さんの服装に関する相談が本当に多かったです。
- 「レンタルってやってないの?」
- 「学校の制服でいいの?」
- 「赤はダメだよね?」
などなど…
とくに多かったのが、小さなお子さんのケースです。
「フォーマル服なんて持ってないし、そもそも去年の服、もうサイズアウトしてるよね!?」
と、葬儀の打ち合わせ中に引き出しをひっくり返していたご家庭もありました。
皆さんの中にも、そのような経験がある方も多いのではないでしょうか。
結論からお話ししますと、子どものお葬式の服装は「故人やそのご遺族への敬意」を示すためのものです。よって、完璧な喪服でなくても、落ち着いた色と清潔感があれば問題ありません。
それでも心配される方もいるかと思います。そのため今回は、「これだけ押さえておけば大丈夫!」という子どものお通夜・お葬式の服装マナーを年齢別に紹介したいいと思います。
赤ちゃん・幼児の喪服選び 落ち着いた色味の普段着で
お子さんがまだ赤ちゃんであったり、あまりにも小さい場合には喪服を揃えるのは現実的じゃないかもしれません。
成長が早いため礼服の“元”が取れないことでしょう。
兄弟で着回す前提ならともかく、基本は「落ち着いた色味の普段着+清潔感」であれば問題ないと思います。
たとえばですが、特定のキャラクターが大きく目立っているといったTシャツなどは避けたほうがよいかもしれません。
おすすめカラーとしては、「黒・紺・グレー・白」。このあたりをベースにすれば、充分に場にふさわしい印象になります。
ちなみにですが、葬儀会場は意外と寒かったり、逆に暑かったりします。エアコンの温度で年配の方と女性陣の意見が合わなくなってしまうことも・・・。
そのようなことがあるため、着替えや羽織ものがあると安心です。
幼稚園児・小学生の喪服マナー 制服や派手でなければOK
幼稚園児や小学生も、基本的には「落ち着いた色味の普段着+清潔感」がある服装であれば問題ありません。そのほか、制服がある子はそれでOKです。
正式な制服は、いわば「子ども版・礼服」。金ボタンでも、赤リボンでも、校則通りなら問題ありません。
ただし、もしネクタイやリボンがものすごく派手ならば外してもOKです。
男の子の場合
白シャツに黒・紺・グレーのズボン。
ベストやジャケットを重ねてもよいでしょう。
女の子の場合
膝丈以上のスカートやワンピース+白いブラウス。
寒ければカーディガンを1枚。
※ミニスカートは避けたほうがよいでしょう。
中高生は学校の制服 制服は立派な礼服
中学生や高校生の場合、そのほとんどが制服を持っていることでしょう。制服はもう立派な礼服扱いになります。
大人のブラックスーツ並みに正装として認識されます。
シャツのシワはピシッと!スカート丈も一応チェックしておくと安心です。
ネクタイがピカピカのラメ仕様とかじゃなければ、制服そのままで堂々と出席してOKです。
これだけは避けたい子どもの喪服コーデ
ここからはNGコーデを紹介したいと思います。
お葬式は「お別れ」の場。派手な色や肌の露出はNGと考えてもらってもよいかと思います。
たとえば避けておいた方がよいのは
- 原色系(赤、黄色、ピンクなど)
- キャラクターTシャツ
- ミニスカート、ノースリーブ、短パン
- 素足(たとえ真夏でも靴下を!)
とはいえ、コロナ禍以降、「一般弔問時間」という形で普段着でのお悔やみも増えてきました。
家族以外は集まる時間をずらすことも多いので、普段着でも浮かないこともあります。
ただしやはり靴下だけは注意しておいた方がよいかもしれません。意外と見られています。
意外とみられる足元 落ち着いた色で静かに歩ければよい
意外とみられている足元ですが、理想をいえば黒の革靴となります。しかし子どもにはそこまで求めなくても大丈夫です。
- 黒・紺・グレー・白のスニーカーでOK!
- サイズが合っていて、静かに歩けるならそれが正解。
です。
逆に避けたほうがよいのは
- サンダル
- 音が鳴る靴
です。
お葬式の静けさの中で「キュッ、キュッ」と響くとどうしても目立ってしまいます。
音の観点からいうと女性のヒールも、場所によっては音が目立ってしまうことがあるため気を付けたほうがよいかもしれません。
子どもの喪服は落ち着いた色と清潔感 いちばん大切なのは心
今回は子どもの喪服の話から、お葬式での服装全体の話をさせていただきました。
冒頭でもお話ししたように、完璧な喪服でなくても問題ありません。落ち着いた色と清潔感があればよいのです。
大事なことは「相手への敬意」をどう表すかということです。
その要素の1つが服装というだけなのです。
「しっかりと考え、選んできてくれたな。」
そのように思ってもらえたら、それで十分なのです。
お別れの場で、大切なのは“心”。
服はその“カタチ”のひとつにすぎません。
どうか、肩の力を抜いて。
「これでいいのかな」と悩む気持ちこそが、もうすでに“礼儀”なんです。
それでは皆さん、少しでも安心して、その日を迎えられますように。