喪主の持ち物リスト お葬式当日に慌てないために
葬儀の中で最も大きな役割を担うのが喪主です。
喪主は故人様に最も近い立場として葬儀 全体の中心に立ち、親族や参列者を代表して対応することになります。そのため喪主は何を持っていけば良いのか?と疑問に思う方も少なくありません。
そこで今回は、喪主として最低限必要なもの、地域性による違い、そして一番大切な心構えについてお伝えしたいと思いま す。
喪主に最低限必要な持ち物
実際の葬儀現場で「これは必ず必要」とされるのはそれほど多くありません。
基本的には以下のようなものを準備しておけば十分です。
喪服一式
男性であれば礼服・白シャツ・黒ネクタイ・黒靴下・黒靴。
女性であれば黒いフォーマル スーツやワンピース、黒のストッキングや靴。
また地域によっては数珠を必須とするところも あります。
挨拶文・お礼の言葉
通夜や告別式で挨拶をお願いされる場面があります。原稿がなくても構いませんが、簡単にメモを準備しておくと安心です。
印鑑(認印)
葬儀の打ち合わせや書類で必要になることがあります。実印までは不要ですが、念のため認印を持参すると便利です。
現金(少額の予備費)
心付けや急な支払いに使うこともあります。大きな金額は不要ですが、数千円~1 万円程度を用意しておくと安心です。
あると便利なもの
必須ではありませんが、用意しておくと当日慌てずに済むものもあります。
- 携帯電話の充電器(連絡が集中するため)
- ハンカチやティッシュ
- 常備薬(長時間の式になるため)
- 替えの靴下やストッキング
このあたりは「喪主だから特別に必要」というよりも、長時間会場で過ごすことを考えた 日常的な準備といえます。
地域性による違い
持ち物の考え方には地域差も見られます。
例えば静岡県東部では「数珠は必ず用意すべ き」とされる一方で、都市部では「数珠はなくても大丈夫」とされることもあります。また会館によってはアメニティが充実しており、宿泊用の寝具や洗面具まで揃っている場合もあれば、昔ながらのお寺や公民館で行う場合には、自宅から布団や洗面道具を持参する必要が残る地域もあります。
つまり「持ち物リスト」は一律には決められず、会場の設備や地域の慣習によって変わってくるということです。
喪主に本当に必要なもの
ただし私が長年葬儀のお手伝いをして感じるのは、「喪主に一番必要なのは物ではなく気持ち」だということです。
喪主は形式的に代表者となりますが、役割の本質は「故人様の一 番近くでお見送りをする存在」であることです。必要最低限の物さえあれば、あとは気持ちを込めて寄り添うことが何より大切です。
当日慌てないためにできること
喪主になると当日はいろいろなことに気を取られがちです。
「あれを忘れた」「これを持 ってくるべきだった」
と慌てないために、事前に式場の設備を見学しておくことをおすすめします。
会館によっては着替え室や控室が整っていたり、歯ブラシ・タオルなどのアメ ニティが備わっている場合もあります。準備されているものを確認しておけば、「何を持っ ていくべきか」という不安は大きく減るでしょう。
まとめ
喪主の持ち物は、最低限の礼服と気持ちさえあれば十分です。
地域や会場によって必要な ものが変わる場合もありますが、それを確認する時間を少しだけ取ることで安心して当 日を迎えられます。
物を揃えることよりも、故人様への想いを込めてお見送りすることが最も大切です。どうか肩の力を抜いて、その気持ちを第一に考えていただければと思います。