お葬式にも個性あり?宗派ごとの特徴の違い 富士市や静岡のお葬式事情
葬儀社に勤めて20年以上になりますが、正直に申し上げると、宗派ごとの細かい違いについては日常業務の中でなんとなく理解している程度で済ませてしまうことも少なくありません。
お寺様などの宗教者様がリードしてくださる場面が多いため、私たちスタッフは準備や進行の補助に回ることが多いからかもしれません。
しかしいざ「宗派の特徴を説明してください」となると、改めて勉強し直す必要があることに気づかされます。
今回は、私自身の知識整理の機会にもなっています。
富士市の宗派事情
まず私たちが暮らす静岡県富士市の宗派分布についてご説明します。
富士市にはおよそ100以上のお寺があり、その中でも特に多いのが日蓮宗と曹洞宗です。少し古いデータになりますが日蓮宗が全体の4割ほど、曹洞宗が約2割強を占めるといわれています。
実際にお葬式をお手伝いしていても、この二つの宗派に出会う機会は非常に多いと感じています。
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」とお題目を唱える宗派で、富士市では古くからの檀家様も多く、地域との結びつきが強い印象があります。
一方、曹洞宗は禅宗の一つで、「ただひたすら坐禅をする」という教えを大切にしています。お葬式の場でも厳かで落ち着いた雰囲気を感じることが多くあります。
静岡県全体で見ても曹洞宗は大きな勢力を持っており、中部から東部には300以上の曹洞宗寺院があるといわれています。
つまり静岡という地域全体で見ても、曹洞宗のお葬式に出会う機会は決して少なくありません。
もちろん、浄土宗や浄土真宗、真言宗、臨済宗といった他宗派のお寺もあります。数は少なめではありますが、それぞれに檀家様がいらっしゃいますので、葬儀社としてはどの宗派にも対応できる体制を整えておく必要があります。
代表的な宗派の特徴
ここで改めて主要な宗派の特徴を整理しておきたいと思います。
浄土真宗
「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱える宗派です。位牌を使わず過去帳で供養することが基本とされ、お香の焚き方や作法も独特です。
曹洞宗
禅宗の代表格です。「只管打坐(しかんたざ)」という言葉に表れるように、座禅を重んじる宗派で、お葬式では読経の長さや焼香の仕方に特徴があります。
天台宗・真言宗
密教的な要素を持ち、護摩や真言の念誦などが行われることもあります。富士市では数は多くありませんが、厳粛な雰囲気を感じる宗派です。
日蓮宗
「南無妙法蓮華経」を力強く唱えるのが特徴です。富士市では最も多い宗派で、地域文化に大きく根付いています。
神道(神葬祭)
死は「穢れ」と考えられるため、仏式とは異なり「修祓」「玉串奉奠」など神道独自の流れがあります。
キリスト教
賛美歌や聖書朗読を中心とした礼拝形式です。富士市では件数は少ないですが、教会での葬儀や自宅葬などで対応することがあります。
葬儀用品について
宗派によって違いがあるのはもちろんですが、実務の面では共通して必要になるものも多くあります。
祭壇
仏式は白木や花祭壇、神道は神棚風、キリスト教は十字架やキャンドルを用意します。
位牌や骨壺
宗派によって書体や大きさが異なることがあります。
香炉・数珠
お香の使い方は宗派によって異なり、数珠も真宗用や禅宗用など種類があります。
その他
神道では玉串、キリスト教では聖書スタンドや讃美歌本などが必要になります。
実際の現場では、宗派を問わずスムーズに準備できるよう、社内で共通備品を揃えておきつつ、特殊なものはレンタルや別途準備で対応することが多くなっています。
まとめ
富士市や静岡のお葬式事情を見てみると、日蓮宗と曹洞宗の影響が特に大きいことが分かります。
とはいえ、地域の中にはさまざまな宗派や宗教が存在しており、葬儀社としては「どの宗派でも安心してお任せいただける」体制を作ることが何より大切だと考えています。
私自身、宗派の違いについては細かく把握しきれていない部分も正直ございますが、今回改めて整理してみて継続的な学習の重要性を再認識いたしました。日々の仕事の中では僧侶の方にご指導いただくことも多く、そのたびに「なるほど、そういう意味があったのか」と新たな気づきがあります。
もしこの記事をお読みいただき、「自分の宗派はどうなのだろう?」と少しでも興味を持っていただけましたら、それだけでこのコラムを執筆した意義があると思っております。
昭和25年(1950年)創業、静岡県富士市で70年以上の歴史を持つ葬儀社。「想いを紡ぐ」を理念に、故人様とご家族の心に寄り添うお葬式を提案。
富士市内に7施設14式場を展開し、家族葬から一般葬、社葬まで幅広く対応。年間相談件数は800件を超え、地域に根ざした「安心」を提供し続けている。
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