「法要の謎に迫る!三十五日 と 四十九日 富士市ではどっち派?」~富士市での習わしと準備の心得~
お葬式が終わった後、ご遺族がまず直面するのが忌明けまでの法要(ほうよう)です。
一般的に四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)は広く知られていますが、三十五日法要(さんじゅうごにちほうよう)については「初めて聞いた」という方も少なくありません。実はこの二つの法要は故人の旅路にとって大切な区切りであり、地域によってどの時点で忌明けをするかも異なります。
ここ富士市では、三十五日を一区切りとして法要を営むご家庭も多く見られますし、四十九日を選ぶ方もいらっしゃいます。
つまり宗派・地域の習わしとご家族の都合で、どちらを選んでも問題ありません。
今回はこの二つの法要の意味や違い、そして実際に行う際の注意点についてお伝えいたします。
三十五日法要とは?
人が亡くなると、仏教の教えでは四十九日間を中陰(ちゅういん)と呼び、故人の魂が次の世界へと向かう旅を続けるとされています。その間、七日ごとに審判があり、供養の法要を営むのが本来のかたちです。
中でも三十五日目は中陰の折り返し地点と言われ、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)のどこへ向かうかが決まる大事な節目と考えられています。
富士市周辺では、この三十五日をもって忌明けとする風習が比較的多く残っており、納骨や仏壇への本位牌のお迎えをこの日に合わせるご家庭もあります。
四十九日まで待つと日程が合わず、親戚も集まりにくい。三十五日にしてちょうどよかったです。お寺さんからも『この地域では三十五日で納骨することが多いですよ』と教えてもらい安心しました。(ご葬家の声)
四十九日法要の意味
全国的に広く行われているのはやはり四十九日法要です。
これは七回目の裁きを経て、故人が来世の行き先を定められる最終日とされているためです。この日を境に「忌明け」として、遺族も社会生活に戻る一つの区切りを迎えます。
富士市でも三十五日で納骨や法要を行うご家庭がある一方で、四十九日を選ばれる方も多くいらっしゃいます。最近では親戚が遠方に住んでいるケースも多く、日程調整のしやすさから四十九日を選ぶご家庭も増えています。
四十九日をきっちり行ったことで、ようやく一区切りがついた気がします。気持ちの面でも『忌明け』という言葉がしっくりきました。(ご葬家の声)
法要に向けて必要な準備
・お位牌の準備
白木位牌から本位牌へと移すタイミングが三十五日または四十九日です。あらかじめ仏壇 店や葬儀社に相談し、法要当日までに本位牌を用意しましょう。
お墓・納骨の準備
納骨を予定している場合は、お墓の清掃や納骨の日程調整を早めに行うことが大切です。 霊園や寺院への連絡も忘れずに。
引き出物・供物
参列者へのお礼として品物を準備します。地域によって「志」と書かれた掛け紙を用いる 場合が多いです。
・日程調整
親戚や僧侶の予定に加え、会場(寺院や自宅、会館)の手配も必要になります。特にお盆 やお彼岸の時期と重なる場合は混み合うため、早めの調整が安心です。
富士市での特徴と実際の声
富士市では三十五日で納骨という習慣が今も根強くありますが、若い世代の方々からは「どちらが正しいの?」という質問をいただくことも少なくありません。大切なのは、宗派の教えや地域の習わしを尊重しつつも、ご家族にとって納得のいく形を選ぶことです。
「どちらにすればいいか迷いましたが、葬儀社の方から『地域や宗派で違いますので、ご家族のご都合を優先して大丈夫ですよ』と言われて安心しました。」(ご葬家の声)
おわりに
三十五日法要と四十九日法要は、どちらも故人様を偲び、家族が心を整える大切な時間です。富士市では三十五日を重視する傾向がある一方で、四十九日を選ぶご家庭も増えており、「どちらが正しい」ということではありません。
大切なのは、故人様を想う気持ちを形にすること。そしてその準備を支えるのが、私たち葬儀社の役割だと考えています。これから法要を迎えるご家庭にとって、少しでも参考になれば幸いです。