葬儀の髪型マナー 男女別のポイントと心構え
葬儀の髪型において最も重要なのは、清潔感があり、控えめで上品な身だしなみを心がけることです。奇抜さや派手な装飾よりも「整えた心で見送る姿勢」が何よりもマナーだと思います。
故人を敬い、遺族の気持ちに寄り添う姿勢が何より大切です。
なぜ葬儀の髪型が重要なのか
葬儀は特別な場である
葬儀は故人との最後のお別れの場であり、多くの参列者が集まる厳粛な儀式です。そのため、以下の理由から髪型への配慮が求められます:
- 故人への敬意を表す:整った身だしなみは故人への最後の敬意
- 遺族への配慮:悲しみの中にいる遺族に不快感を与えない
- 社会的マナー:参列者の多様な価値観に配慮した身だしなみ
よくある悩みと不安
「髪の色が明るいけど大丈夫?」「どこまで髪をまとめればいい?」といった疑問を抱く方は少なくありません。とくに若い世代では、普段のスタイルと葬儀にふさわしいスタイルのギャップに戸惑うことも多いことでしょう。
お葬式担当をしていた頃の思い出話
実は髪型についてのご相談は、それほど多いものではありません。しかし今でも印象に残っている場面があります。
葬儀までの日が少し空いてしまったとき、ある奥様がご主人に向かっていっていました。
「大勢の人が見えるから、あなた床屋に行ってきなよ!」
ご主人、ちょっと面倒そうな顔してましたけど奥様は本気のようでした。
「その頭じゃ、“ご主人、具合悪いの?”なんて言われるわよ!」とピシャリ。
あのやり取り、今でも思い出すとクスッとします。
昔の若者たちは黒く染め直して・・・
最近は茶髪や明るい髪の若者も多くなりました。時代の流れを感じます。
しかし少し前は「お通夜だから髪を黒く染め直してきました」という若者がたくさんいたものです。
そうすると、お通夜の日に会ったときに「あれ?君…●●くん?」と思わず二度見するほど、別人のようになっていたこともありました。
つまり葬儀というと特別感があるように捉えられ、「こうしたほうがよい」と考える人も一定数いるのだと思います。たとえば今回でいう「ヘアースタイル(髪型)」もそうです。
実は一番大事なのは「清潔感」
葬儀の場で大切なのは髪型がオシャレかどうかではなく「清潔感があるかどうか」かもしれません。
しかし清潔感というものには個人差があります。自分の中で故人様を送り出すにふさわしいと感じれば、それはそれで正解なのかもしれません。
また葬儀には多くの方、さまざまな方が参列されます。それは自分の知り合いだけではなく、故人様の、家族の、親族の知り合いだったりします。
そのあたりを捉え、自分の中で故人様を送り出すのにふさわしい姿であればよいのかもしれません。
ここからは現場から見て、「こういう人が多い」というヘアスタイルを紹介させていただきます。
基本的な髪型マナーの考え方
「清潔感」が最優先
葬儀の際の髪型の良し悪しは、オシャレかどうかではなく清潔感があるかどうかかもしれません。
具体的には以下のようなものです。
- 整髪されている:寝ぐせや乱れがない
- 適度にまとまっている:だらしなく見えない
- 控えめな印象:派手すぎず、上品な仕上がり
経験上多いヘアスタイル
女性
女性で髪の長い方は、まとめている方が多いのが印象です。
そしてシンプルな髪留めやシュシュを利用される方が多いです。
男性
たとえば耳や襟に髪がかかるようなら軽く整えておくと好印象でしょう。ワックスなどでサッとまとめるだけでも十分かもしれません。
髪を整えるその時間も、大切なひととき
床屋さんや美容院で髪を整えてもらっているとき、不思議と思い出す方もいるかもしれません。
「そういえば昔、おかあちゃんに髪を切ってもらってたなぁ」
お風呂場でバスタオルを巻いてもらいザクザクと切られながら「じっとしてなさい!」って怒られていた日々。そんな記憶がふとよみがえる方もいるのではないでしょうか。
そんな時間もまた、自分を整えるひとときなのかもしれません。
まとめ|髪を整えることは心を整えること
今回は「葬儀の髪型」についてお話ししてみました。堅苦しく考える必要はなく、自分なりに清潔感を出せればよいかとは思います。
ただし基本的には正装を着る場所であるため、それに適した髪型がよいのかもしれません。
大切なのは、「人に会うときの最低限の身だしなみ」を意識すること。
自分自身が「これなら大丈夫」と思える状態で、故人と最後のお別れができたなら、それで十分だと思います。
マナーは人の心遣い。
整えた髪と、整えた心で、大切な人を見送る時間を大切にしたいですね。